個人病院全面リニューアル(その1)
施工地域 | 神戸市垂水区 |
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物件情報 | RC造平屋建て、築43年 |
工事概要 | 解体撤去工事、仮囲い、造作工事、木製建具工事、家具工事、内装仕上げ工事、電気・空調換気設備工事、給排水衛生設備工事 |
工事費用 | 約590万円(税込) |
工事期間 | 約2週間(平成29年10月竣工) |
改修前は男女共用だったためにプライバシーが確保しずらく、採尿などの際に周囲の目が気になるといった問題がありました。また湿式工法の床(タイルなどの水を流して洗える床)は湿気が籠りやすく、雑菌が繁殖しやすいなど衛生面での課題もありました。
そこで共用方式から個室2室に改修し、プライベートを確保して周囲に気兼ねすることなく利用できるように計画しました。
床は乾式工法(抗菌塩ビシート貼り)とすることで湿気や臭いの発生を抑え、衛生的で明るいトイレに生まれ変わりました。
新しい洋便器にはTOTOのパブリック用掃除口付き便器と蓋なしウォシュレットを選定しています。
公共トイレ操作系JISに対応したシンプルで分かりやすいリモコンに「音姫」機能を付加し、女性やご高齢の方でも安心してお使いいただけるようになりました。
L型手すりに加えて跳ね上げ式の可動手すりも備え付け、車いす利用にも対応できるようになりました。
大型の洗面化粧台は撤去して人造大理石の手洗いカウンターにオート水栓とハンドドライヤーをセットし、多目的利用に配慮してコンビ製のベビーシートも備え付けました。
検尿棚はトイレ毎に新たに家具で製作し、検尿室側からトイレ内部が直接見えないように角度を付けて配置しています。
腰壁には木目調の塩ビシートを貼ることで高級感を演出し、傷や汚れも防ぎます。
改修前の入口は片開きの扉でしたが、上吊り引き戸を木製建具で製作して指一本でも軽く開けられるようになりました。
明り取りの窓も縦に連続して配置することで、ご利用状況が一目で分かるようになっています。
また湿式トイレの床は一段下がっていましたが、乾式工法とすることで段差なしのバリアフリーに改良することができました。
検尿室も全面リニューアルすることになり、流し台と収納棚を家具で製作させていただきました。
検尿室のガラス戸を開けるとトイレ内部が丸見えになっていましたが、角度を付けることで見えにくくなり小扉を取り付けてプライバシーを確保しています。
シンクも用途に合わせてオーダーすることで使い勝手が格段に向上しました。
院内の一部を工事用の仮囲いで閉鎖しての工事のため、スタッフの方々はじめ患者様にもご協力をいただいたおかげで診察しながらリニューアルすることができました。
院内の動線や使い勝手、患者様の安全や危機管理に至るまで熟慮を重ねて全面リニューアルの第一弾が完成しました。
トイレを皮切りに院内すべてのリニューアルを行う数年掛かりのプロジェクトのスタートです。