お庭のコンクリート塀の外側に塀の基礎と一体になった法面養生のコンクリートが打設されていましたが、斜面の土の上に覆い被せただけの構造で、雨水の侵入などによって足元から土が流れ出てしまっていました。そのためコンクリートの下が空洞になり荷重を支持できなくなったことで崩落が始まっていました。

まず下が空洞になっている部分のコンクリートを撤去して塀の基礎の状況を確認することになりました。すると中からはコンクリートブロックやコンクリートガラなどが見つかり、適切な土留めや基礎工事がなされていなかったことが分かります。

そこで新たに土留め擁壁を構築してこれ以上斜面の土が流出するのを防ぐことになりました。まず擁壁を構築するためのベースを造っていきます。単管とベニヤ板による簡易土留めを行い、ベースとなる部分の鉄筋を組んでコンクリートを打設します。

次にベースの上に擁壁の鉄筋と型枠を組み立て、塀の基礎と一体の構造となるよう上部にも補強の配筋を行います。また水抜き用のパイプを延長して擁壁の外側まで排水することで、雨水が滞留して敷地内の水はけが悪くなることを防ぎます。

擁壁のコンクリートを上下2回に分けて打設し、一定の養生期間をおいて脱型して完成です。
これで法面から土が流れ出して保護コンクリートが脱落する危険がなくなりました。
塀の基礎も補強でき、安心してお使いいただけるお庭になりました。